ITパスポート試験では「経営戦略」についての問題が出題されます。下記のような用語が答えになることがあるので、どういう意味なのか今一度確認しておきましょう!
経営戦略
ストラテジ分野の「経営戦略」とは、競合会社との激しい競争に勝ち抜くために、企業が競争優位を確立し、持続的な成長を達成するために策定する長期的な計画や方針のことを指します。
試験では、代表的な手法の名称や戦略名について問われます。
コアコンピタンス
Core Competence
企業が持つ他社には真似できない独自の強みや能力のことです。これにより、競争優位性を保ち、持続的な成功を収めることができます。
SWOT分析
SWOTは、下記4つのカテゴリの頭文字です。内部環境と外部環境から、戦略を取ります。
Strengths(強み) | 企業が持つ競争優位性や内部資源 |
Weaknesses(弱み) | 企業が改善すべき点や内部の課題 |
Opportunities(機会) | 外部環境が提供する成長の機会 |
Threats(脅威) | 外部環境がもたらすリスクや課題 |
PPM
Product Portfolio Management
(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)
企業の全体的な製品や事業のポートフォリオを管理し、各事業に対して適切な資源配分や戦略を決定します。PPMは、BCGマトリックスを含むさまざまな手法を使って、企業のポートフォリオ全体を管理し、戦略的な意思決定を行うプロセスです。
BCGマトリックス
- 花形(Stars): 高成長・高市場シェア
- 金のなる木(Cash Cows): 低成長・高市場シェア
- 問題児(Question Marks): 高成長・低市場シェア
- 負け犬(Dogs): 低成長・低市場シェア
4つのカテゴリに分類し分析、資源配分の最適化を図ります。
3C分析
企業のマーケティング戦略や経営戦略を策定するためのフレームワークの一つで、以下の3つの要素(3C)を分析します。
- Customer(顧客)
- Company(自社)
- Competitor(競合)
3C分析は、顧客、自社、競合の3つの要素を包括的に分析することで、企業の戦略策定に役立ちます。このフレームワークを用いることで、企業は市場での競争力を高め、持続的な成長を実現するための具体的なアクションプランを作成することができます。
5フォース分析
5フォース分析は、企業が直面する市場の競争要因を以下の5つの力に分類し、それぞれの影響を評価することで、戦略を立てる際の参考にします。
- 新規参入の脅威
- 供給者の交渉力
- 顧客の交渉力
- 代替品の脅威
- 業界内の競争の激しさ
5フォース分析を通じて、企業は自社の競争力を評価し、戦略を立てる際の重要なインサイトを得ることができます。
バリューチェーン分析
バリューチェーン分析は、企業が製品やサービスを提供する過程で付加価値を生み出す活動を細分化し、それぞれの活動がどれだけ価値を生み出しているかを評価します。
これにより、競争優位性を確立し、コスト削減や効率化の機会を見つけることができます。バリューチェーンは、以下の主活動と支援活動に分けられます。
主活動
購買物流・製造・出荷物流・マーケティングと販売・サービス
支援活動
調達・技術開発・人事管理・企業インフラ(会社全体の管理)
各活動がどれだけの付加価値を生み出しているかを評価し、全体的なパフォーマンスを向上させるための具体的な戦略を立てることができます。
ベンチマーキング
ベンチマーキングとは、企業が自社の業績やプロセスを他の優れた企業や業界標準と比較することで、自社の改善点を特定し、競争力を高めるための手法です。ベンチマーキングの目的は、最良の実践方法を学び、自社に適用してパフォーマンスを向上させることです。
M&A
Mergers and Acquisitions(合併と買収)
企業が他の企業と合併したり、他の企業を買収することを指します。M&Aは、企業の成長戦略の一環として、新しい市場への参入や競争力の強化を目指して行われます。
株式の買付け
- TOB(Takeover Bid)
公開買付けのことで、特定の企業の株式を市場外で大量に取得するために、一定期間にわたって一定価格で株式を買い取ることを公開する方法です。TOBは主に企業買収や支配権の取得を目的として行われます。 - MBO(Management Buyout)
経営陣買収のことで、企業の経営陣が自社の株式を買い取って、経営権を取得することです。MBOは主に経営陣が独立性を保つためや、企業の事業再編を円滑に進めるために行われます。 - EBO(Employee Buyout)
従業員買収のことで、企業の従業員が自社の株式を買い取って、経営権を取得することです。EBOは従業員が企業の所有権を持ち、経営に参加することで、企業の安定性やモチベーションを高めることを目的としています。
アライアンス
アライアンスとは、二つ以上の企業が共通の目標を達成するために協力することを指します。企業間の協力関係であり、資源や能力を共有して競争力を高めたり、新しい市場に参入したりすることを目的としています。企業同士の連携ということです。
戦略的提携
Strategic Alliance
二つ以上の企業が特定のプロジェクトや事業分野で協力し、相互利益を追求する形態です。資本関係は必ずしも必要ありません。
ジョイントベンチャー
Joint Venture
二つ以上の企業が共同で新しい法人を設立し、共同で出資・運営する形態です。通常、出資比率や運営方針などを事前に取り決めます。
OEM
Original Equipment Manufacturer
OEMとは、他社ブランドの製品を製造することを指します。OEMメーカーは製品の製造を担当し、顧客企業は自社のブランド名でその製品を販売します。OEMの主な目的は、コスト削減や生産効率の向上、専門技術の活用です。
CVC
Corporate Venture Capital
CVCとは、企業が自社の戦略的な利益を目的として、スタートアップやベンチャー企業に投資することを指します。CVCは、新しい技術やビジネスモデルの獲得、市場の拡大、将来の事業提携の可能性を探るための手段です。
ベンチャーキャピタル
Venture Capital/VC
成長の可能性が高い新興企業やスタートアップ企業に対して資金を提供する投資会社やファンドのことを指します。ベンチャーキャピタルは、資金提供に加えて経営支援や戦略的アドバイスを行い、投資先企業の成長を支援します。
まとめ
覚える単語多すぎて大変ですね!特に用語の頭文字「○○○」みたいなものは特に難しく感じます。
企業の合併・戦略と分析と大きく分けてなんとなくの理解で、その後は過去問で理解を深めていきましょう!